マス・ドイシュについて
MAS DOIX|マス・ドイシュ

特選原産地呼称であるDOQ プリオラートのテロワールを反映させた高品質の凝縮したブドウから造る家族経営のワイナリー。
歴史 プリオラート北東部のポボレダ村にあるマス・ドイシュは、1998年にドイシュ家とリャゴステラ家によって創設されました。ドイシュ家は1850年からワイン醸造を始め、1878年のパリ万博や、1888年のバルセロナ万博でメダルを獲得する銘ワイナリーでした。フィロキセラの被害を受け壊滅状態になった後、プリオラートの土着品種ガルナッチャ種、カリニェナ種を植えることでプリオラートの伝統を大切に守ってきました。しばらくの間は栽培したブドウを農協に売却していましたが、「樹齢100年を超える古木からは素晴らしいワインができるはず」と確信を持った醸造家のラモン・リャゴステラ氏とマーケティング担当のバレンティ・リャゴステラ氏の兄弟が、彼らの叔父の3代目のジョアン・ドイシュ氏を説得して、叔父と共にワイナリーを再建しました。
マス・ドイシュは、かけがえのない財産であるプリオラート独自の地形や土壌、気候といったテロワールやブドウ品種を、そのまま表現したワイン造りを心掛けています。エレガントでバランスがよく、長期熟成にも十分耐えうる、強烈な個性を備えた偉大なワインを、ワインへの愛情が深い愛好家の人たちと分かち合うことが誇りであり喜びです。
フィロソフィ すべての偉大なワインは、ブドウの木から始まります。そのため、樹齢が若くても何世紀も経っていても、ブドウ畑にできる限りの注意を払います。そして、環境、ブドウ畑、労働力の完璧な調和を保証するバイオダイナミック農法による厳格な有機ブドウ栽培を実践しています。”リコレーリャ "と呼ばれる粘板岩の丘の可能性を信じ植えられたブドウの木は、その一本一本が最高品質のブドウとして収穫されます。
マス・ドイシュにとって、バイオダイナミック農法による有機栽培は、最小限の操作で手摘みで収穫する、深く根を下ろしたブドウの木とつながる唯一の方法であり、フレッシュでエレガント、繊細なミネラルを持つワインを、限定生産で造っています。
プリオラート カタルーニャの南に位置するプリオラートは、大都市バルセロナから車で2時間しか離れていないのにもかかわらず、まるで地の果てのような景観をしています。スレート岩盤に覆われた切り立った丘陵、ポルトガルのドウロ地方を思わせる崖のような急斜面。ブドウが植えられた段々畑は、遠目からは地の底へ続く巨大な階段のように見えます。
このような場所では機械を入れることができないため、畑での作業はすべて手仕事になります。人間にとって重労働を強いるこの地は、ブドウにとっては品種の個性を最大限に備えることのできる理想郷となります。土着品種のガルナッチャやカリニェナ、国際品種のシラー、カベルネ・ソーヴィニョン、メルローなどが標高100メートルから700メートルまでの間に植えられています。
ブドウ畑 マス・ドイシュはプリオラートの北東、モンサンとセッラ・デル・モッロという2つの山脈に守られたポボレダ村にあります。ここは、2つの山脈間のポポレダ渓谷を吹き抜ける北東からの冷たい風のおかげで暑さがやわらぐため、プリオラートのほかの場所よりも生育シーズンが長く、ブドウは酸を備えながらゆっくり完熟を迎えることができるという素晴らしい条件に恵まれています。
リコレーリャと呼ばれるスレート(粘板岩)土壌と、豊かな日照、情熱にあふれた若い生産者たちに恵まれたプリオラートは、凝縮した果実味と、ミネラルが豊かな赤ワインが生まれるスペインきっての優れた産地として多くのワインライターやワイン愛好家に支持されています。プリオラートのワインが凝縮感と豊かな個性をもつワインに仕上がるのは、この地ならではの厳しい栽培条件による低い収穫量のおかげです。
マス・ドイシュのブドウ畑は、すべて標高350〜650メートルの高地にあり、平均樹齢は70〜115年。このような古木は自然に収穫量が少なくなり、1本の木に僅か一房300gの凝縮したブドウしか実りません。年によっては全く実を付けない場合もあります。この古い畑を永い間大切に栽培を続けた結果、現在の高品質ワインを造ることが可能となりました。